ドナルド・ジャッド 建築: 構想・実作・領域

第三回メニカン

2018/3/18(sun.) 17:00-20:00@東大講評室

レクチャラ: 寺田慎平

芸術家ドナルド・ジャッドが建築プロジェクトをどのように構想、実現したかを紹介しながら、建築とそれを成立させている領域との関係について考察する。


レクチャの前半ではジャッドの実作を紹介し、彼の活動の領域との関係を考察した。後半ではこの領域という概念を拡張し、建築とその周囲にひろがる領域との関係を扱う可能性について議論することを試みた。

ディスカッションでは、ジャッドが提示したさまざまなコンセプト(スペシフィック・オブジェクト/パーマネント・インスタレーション/居住可能美術館/美術の国際性と地域性etc...)や、レクチャラから提案したいくつかの考え方(都市から領域へ/スケールレスで入れ子状の空間/コンテクスチュアリズムに陥らずに、周囲の環境との関係を構築することetc...)について質疑があった。

それらについて十分な議論と結論が出たかはわからない。しかし、ジャッドの建築作品の多くがリノベーションであること、そして「ミニマリズム」という建築界でもひろく受容されてきた価値観におさまらない彼の作品がその周囲の領域との関係から理解されうることは、現在再考されうるべき事項である。そのことが間違いないことが確認できたのは確かだ。

文責: 寺田慎平


180318_slide_opt_40.pdf
180318_slide_opt_45.pdf