建築はなにかの象徴たりえるだろうか?このシンプルな問を考えることはとても難しい。価値観が多様化し、イデオロギーの大きな対立構造で捉えることができない昨今においては、象徴の参照先である「なにか」を決めることが困難だから。
一方で我々は、現代はアイデンティティーの時代になると考えている。データ処理により、ひとが群れとして統計的に扱われるなかで、個人や集団が意思を表明し、自由を獲得するためには「自分が何者であるのか」という自己認識が必要になる。
アイデンティティーには象徴が必要である。しかし建築は、ポストモダンへのトラウマからか、シンボルを扱うことに引け目を感じているようだ。とはいえ、いまさら大きなイデオロギーを参照することもむずかしい。
「FORM FOLLOWS FUNCTION」というモダニズムの教義は機能を参照した。我々はこれを「FUNCTION FOLLOWS SYMBOL」と書き換えることで、この問題について考えてみたい。
ウルトラスタジオは、向山裕二、上野有里紗、笹田侑志からなる建築コレクティブ。2013年に結成。日本とヨーロッパで経験を積み、2018年より東京をベースに設計活動を開始。都市文化を批評的にとらえなおしつつ、建築的介入を創り出す活動をしている。
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