「内装について引き続き考えること」


レクチャラ:橋本吉史

日時:2018年5月20日17:00~20:00 @ 東京大学本郷キャンパス工学部1号館3階講評室

前回の小論ビブリオバトル「内装」にて、私は西沢大良「倉俣史郎の建築について」という小論に注目した。そこにおける問題意識を引き継ぐかたちで、メニカン#では倉俣の作品を中心に、具体的な事例を共有しながら、前回の討議の延長戦を開催した。

倉俣プロフィール説明 70年代80年代に活躍した。主にミニマリズム期、現象期とメンフィス期に分けられる。

前提として、インテリアデザインという分野を扱うことは、建築界隈での共有知識の蓄積の少なさがある。なので、発表内容は倉俣の全作品をスライドショーで投影することで、上記のようなテンプレートとしての倉俣の評価以上の、言説化されてこなかった部分を可能な限り共有することを試みた。

発表を通していくつかの今後課題が見えたように思える。以下の視座を通じ、倉俣に限らず広く「内装」の問題を共有し、語りうるものにしていくかが今後の課題と思われる。

1・孤高の天才として描かれることの多かった倉俣を、言説/社会/業界状況などを踏まえ俯瞰的に見た時に、どこに本来は他律しているかを見極めていく。

2・共同体的な話

3・そもそものこれまであまり建築界が重要視してこなかった、著名なインテリアデザインの事例を抑え、共有していく。


評者:橋本吉史